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妊娠中の浮気

妻が妊娠している期間は、夫が浮気をする危険度が高くなると言われます。

夫が浮気をしている事実が発覚すると、妻は、家庭の大事な時期に浮気をする夫の行動に対し強くショックを受けます。

それでも、間もなく子どもが生まれてくることから、夫婦で話し合い、離婚せずに婚姻生活を続けていくことを選択するケースが多くなります。

しかし、浮気の事実によって夫婦の信頼関係が大きく傷ついてしまうと、夫婦のいずれか一方から離婚したいとの申し出が行なわれることもあります。

妊娠中の浮気

妻の妊娠中に夫の浮気していた事実が発覚することがあります。

妻が妊娠中のとき

夫婦として一緒に生活をしていると、子どもを授かることに恵まれ、夫婦に新たに子どもを加えた家族へ移行することがあります。

こうした時期は、夫婦にとっては、子どもの誕生に期待を膨らませる幸せなときになります。

子どもを欲しいと願っていた夫婦にとっては、その喜びは特に大きなものとなります。

このとき妊娠中の妻は、出産に向けて体に気を遣わなければならず、出産に向けた準備をし、胎児の生育状況に関心が向かうことになります。

また、妻は、お腹に子どもがいるために身体上の負担が大きくなり、出産に向けて精神的には不安な状況に置かれる面もあります。

妊娠してから子を出産するまでの負担は、ほとんど妻側で負うことが現実です。

そうした状態に置かれた妻と夫がともに出産に向けて互いに支え合っていくことができれば良いのですが、現実は、理想に描く通りにすすんでいくとは限りません

一般に、子どもが生まれてくる時期は、夫は仕事に追われる年代に重なります。

そうした夫も、妻の出産を理由として仕事を疎かにすることはできません。

そのため、妻の出産に夫が立ち会えるケースは少なく、夫の仕事が忙しければ、妻が一時的に実家に戻って出産すること(里帰り出産)は現代でも行なわれています。

妻が妊娠している期間の家庭状況は夫婦ごとに異なりますが、常に妻の出産に向けて万全な状態にあるとは限りません。

夫の浮気が起こることも

妻が出産に向けて大変な時期にあるとき、夫も、そうした妻の気持ちを理解して一緒になって出産の準備に協力できるかと言えば、必ずしもそうしたことになりません。

一部の自営業などを除き、夫の一日は、家庭以外で過ごす時間の方が圧倒的に多くあります。

夫は、妻が妊娠していても、妻と顔を合わせない時間帯、通常と変わりなく仕事関係に時間をあてています。

その一方で、妻の妊娠中は、夫婦の性交渉は行なわれなくなってきます。

また、妻が出産のために里帰りすることになれば、夫は一人で生活することになります。

こうした状況に置かれた夫は、体の欲求から異性を強く求めることもあり、そのときに上手く自分をコントロールできないこともあります。

そして、性的な欲求を満たすために浮気をしたいと考えることも起こり、我慢できずに現実に浮気をしてしまうこともあります

浮気の対象となる相手(異性)は、職場の同僚、友人であることも多くありますが、出会いサイト等で探して見つけることもあります。

「妊娠している期間、妻は夫の浮気に気を付けなければならない」とは昔から言われますが、これには上記のような状況があるためです。

妻から怒りを買う浮気

妊娠中に起きる浮気のうちでも、妻から特に大きな怒りを買うことになる浮気があります。

それは、夫婦で使用する自宅の寝室が浮気の現場に利用されたときです。

妻が里帰り出産により自宅を不在にすると、夫は、浮気相手を自宅に招くこともあります。

そうなると、必然的に夫婦の寝室で性交渉が行なわれることになり、その後は浴室が使われ、それらの過程で夫婦が使用している備品などが使われます。

夫婦の聖域となる寝室で、夫が他の女性と性交渉することは、妻には重大な意味を持ちます

そうしたことは、妻にとっては大きな屈辱を受けたことになり、許しがたい行為になります

夫が浮気の相手を自宅内に入れた事実を後から知った妻は、気持ち悪くなり、そのときの寝具カバーから浴室タオル、マットなどすべてを捨てたという話を聞くこともあります。

浮気をすることに良し悪しはありませんが、自宅内で浮気をすることは妻から特に怒りを強く買う結果になるようです。

父親の自覚を持てる時期

結婚してから初めての子どもが生まれるときは、父親としての自覚を持つことを夫には期待されるものですが、それには少し無理もあります。

父親としての自覚は、子どもを育てる過程において徐々に培われていくものであり、子どもを現実に見る前から持てるものではないように思います。

夫婦として子どもと生活して、悩みながら監護養育していく過程で子どもに対し愛情を持ち、父親として頑張ろうと考えるのではないでしょうか。

父母が離婚をすると、別居した親のニ割程度からしか、子どもの養育費が支払われていないという実態があります。

この事実は、子どもと一緒に生活をしなくなると、父親としての自覚が一般に弱まっていく傾向のあることを示していると考えます。

つまり、妻が妊娠している期間は、夫は自分が間もなく父親になることを認識はしていても、そのことで直ちに父親として自覚ある行動をとれることにならないのではないかと考えます。

妊娠する前からの浮気

妻が妊娠している期間に夫の浮気が起こりやすい事実はありますが、妊娠中に起きる浮気には、必ずしも妻の妊娠が理由になるわけでもありません。

結婚する前から性的関係を伴う交際をしていた別の女性と、結婚した後にも関係を続けることがあります。

また、結婚後に関係をもった浮気相手と、妻の妊娠中も浮気を繰り返すこともあります。

こうした妊娠を理由としない浮気も起きますが、これは夫の貞操観念が標準的なものと異なっていることで浮気が起きます

このような浮気は本人の習性から起きるものであり、浮気をしている本人としては相手となる異性はべつに誰でも構わなく、あまり悪いことをしている意識もありません。

そのため、完全に浮気を止めさせることは、なかなか容易ではありません。

浮気の発覚

浮気はいつか発覚してしまうものであり、そのときには深刻な事態になることもあります。

浮気の発覚

現代における個人間の日常的な連絡手段は、ほとんどがスマートフォンになっており、過去に連絡した記録はスマホの中にすべて残されます。

スマホの管理状態には個人差もありますが、家庭内にあると、さすがに安心するため、厳しくは管理していないことが普通です。

浮気している相手がいると、家庭内でもスマホを操作することは珍しくありません。

家族のみんなも普段からスマホをいじっている光景は、今や当たり前になっています。

そうしたことから、夫が浮気をしているときは、それに関する情報がスマホに残されており、その情報を妻が隠れ見ることによって、浮気の事実が発覚しているケースが多くあります

夫は、まさか妻に自分のスマホをのぞき見されているとは考えていません。

そして、夫の気付かないうちに、妻が夫の浮気の実態を把握することもあります。

また、妻が里帰り出産から自宅に戻り、しばらく一緒に生活するうちに、夫の行動に変化の起きていることに妻が気付くことがあります。

そして、妻が浮気を調べることによって、浮気の事実が発覚することもあります。

夫に対する浮気の事実確認

夫の浮気を見付けた妻は、夫に対して浮気の事実を問い質して確認します。

もちろん、妻は浮気の事実を把握しているのですが、夫の反応を確認したうえで、婚姻継続も含めたその後の対応を考えます。

このとき、夫が婚姻の継続を望む場合は、意外に浮気の事実を正直に認めることがあります

もし、妻に嘘を言うと、その嘘が判明したときには回復を図れない信用失墜となるためです。

一方で、夫が浮気の事実を認めても、詳細の態様までは妻へ話さないこともあります。

その理由として、妻から浮気相手に対して慰謝料請求の行なわれることを警戒し、仮に離婚になったときには自分にとって不利な材料を提供することになることがあります。

夫側が積極的になって浮気をしたときは、浮気が発覚したことで相手に迷惑をかけたくないと考えることも見られます。

しかし、浮気相手を庇う夫の姿勢は、妻からは理解されることはなく、夫が浮気をしたことを反省していないと妻は受け取ることになります。

調査会社を利用した浮気調査

夫が浮気をしていると確信した妻は、その裏付けを取るために専門調査会社を利用して浮気調査をすることもあります。

浮気の現場を押えることができれば、浮気の事実を証明できる有力な証拠資料になります。

しかし、専門調査会社の利用料金は、個人の負担としては相当に高額になります。

婚姻を継続することを優先して対応するときには、調査会社を利用して証拠資料を集めても、浮気相手から得る慰謝料で調査費用を埋め合わせることができない可能性があります

それは、婚姻を続けるときの慰謝料は、離婚するときに比べて高額にならないためです。

また、慰謝料請求した浮気相手には、慰謝料を支払う能力があるかどうかも分かりません。

少し力を入れて浮気調査をすると、その利用料金は100万円を超えることも多く、家庭の資金からねん出するには重たい負担となります。

また、妻に隠れて浮気調査をされていたことを知った夫は、自分では隠していたことが本当は知られていたことでプライドが傷付いて、妻に向かって怒り出すこともあります。

こうした夫の姿勢は大変に身勝手であるように映りますが、夫婦の関係を修復していくときには良くない方向に影響することもあります。

こうしたことから、専門調査会社を利用するには、慎重に判断することが必要になります。

費用をかけ過ぎないように注意します

夫の浮気に気付いたときは、気持ちが大きく動揺してしまうこともあります。

やるべきことを考えて具体的な対応をすすめることは良いことなのですが、このときにお金をかけ過ぎてしまう方も見られます。

浮気の事実を正確に把握することは、対応をすすめる前提となりますが、慰謝料請求又は離婚の訴訟をすることを予定していなければ、ある程度の事実確認で済むことがほとんどです。

浮気調査に費用をかけて、さらに弁護士を利用して浮気相手に慰謝料請求することになると、総額でニ百万円にも及ぶ費用のかかることもあります

気が付いたら大変な金額をかけてしまっていたとの反省を聞くこともあります。

そうした高額な費用をかけたとしても、結局は離婚しないことになったり、慰謝料請求する相手に慰謝料を支払う資力のないこともあります。

そうなると、浮気調査等に使った費用を回収することはできず、それで終わってしまいます。

ある程度までならば自分だけでも浮気の事実を把握できることもあります。

また、自分で浮気相手へ慰謝料請求の交渉をする方は多くあります。

決定的な性交渉のあった事実を押さえていなくても、相手が浮気を認めることはあります。

気持ちが動揺していると正常な判断をできないこともあります。まずは、気持ちを落ち着けてから対応を判断することが大切になります。

妊娠中の離婚協議

昔より「子はかすがい」と言われますが、夫婦の間に子どもが生まれると、夫婦の結びつきは強くなるとされます。

しかし、これはすべての夫婦に当てはまることではなく、たとえ妻が妊娠中でも離婚する夫婦は多くあります。

子どもがあることで夫婦の絆が強まるのは、夫婦の関係が安定しており、夫婦の双方が子どもに対し強い愛情をもっていることが前提になります。

夫婦の関係は、様々な要因から形成されるため、常に安定していることはありません。

また、妻が妊娠しているにも関わらず浮気を繰り返す夫もあり、さすがに妻が怒って離婚する夫婦もあります。

妊娠中に離婚するときは、離婚後に出産する母と子の生活を考えなければなりません。

母親が仕事に就いており産休中であれば良いのですが、何も仕事に就いていなければ、離婚した後に母子の生活はすぐに困窮することになります。

離婚に際して子どもの養育費を取り決めることは当然のことですが、そのほかに当面の生活費を支援することなども条件として定めることが必要になります。

夫婦による合意

夫の浮気が判明すると、夫婦は、婚姻を継続するか否かの岐路に立ちます。

妻が妊娠中で大変な時期に夫が妻に対し嘘をついて浮気をしていた事実に、妻は夫に対し強い不信感を抱くことになります。

ただし、子どもが生まれたばかりであると、直ぐに離婚することは子どもに可哀そうであるとの気持ちもあり、夫婦として婚姻を続けることを選択することが多く見られます。

夫に対しては不信感を抱いていても、乳飲み子を抱えて離婚することは妻にとって良い選択とならず、しばらくの間は婚姻生活を続けて様子を見てみようということもあります。

このとき、夫婦の間で婚姻を続ける合意をする前に、再び浮気が繰り返されないように、夫婦の間で約束事が取り決められることがあります。

簡単に言えば、夫婦の間で家庭におけるルールを定めます。そうした手続きを経たうえで夫婦としての生活を再スタートさせることになります。

合意したことを書面に

夫婦で話し合って合意した約束を守ることは、その後の婚姻生活の前提となります。

浮気の発覚した頃には深く反省していた夫も、それから時間が経つことで反省心が薄らいで、同様の過ちを繰り返さないとは言いきれません

夫婦の信頼関係が壊れかけた時期であるため、相手を信用することは容易ではありません。

そのため、夫婦で約束したことを書面にして残しておくことも行なわれます。

たとえ、書面に作成しても必ず守られる保証は得られませんが、約束したことの重みが増すことは間違いありません。

また、もし約束したことが破られたときは、夫婦の約束した書面をもとにして、約束を破られた側は相手に対して離婚を請求できたり、離婚条件の協議を有利にすすめられることが期待できます。

夫婦契約の意味

婚姻している夫婦の契約は、婚姻中はいつでも取り消しできることが認められています。

また、離婚の届出時に夫婦二人に離婚する意思があることで協議離婚できます。

つまり、離婚の約束はいつでも撤回ができます。離婚する予約をすることは法律上では意味をもちません。

しかし、それだからと言って、浮気の発覚した時に夫婦で話し合って合意したことを書面にしておいも意味がないと考えるのは早計です。

夫婦の約束が守られなかったことで離婚するときに、夫婦で以前に合意してある内容によって離婚することは夫婦の判断で可能なことです。

夫婦の間に大きな争いもなく、当初に予定していたとおりに離婚することはあることです。

また、離婚するときに条件などで揉めたときでも、合意していた書面が資料としてあることで話し合いのベースとして利用されることが期待されます。

当事務所でも、浮気の発覚を契機に夫婦の間で婚姻生活に関する確認をして、夫婦で合意書を作成して再スタートする事例が多く見られます

夫婦で再出発を誓う

人間は過ちを犯してしまう動物ですが、同時に知恵を備えていますので、失敗した経験をその後に生かすことができます。

浮気によって夫婦の信頼関係が壊れかけても、お互いにやり直そうとの気持ちがあれば、夫婦の関係を再構築していくことも可能になります。

そもそも、常に夫婦の関係が良好であり、その状態で安定していることなど、現実にはないのではないでしょうか?

また、安定しているばかりの状態が良いことであるかは、夫婦にも分かりません。

夫婦の関係は悪い時期もあるから、その反対に良い時期も来ることになり、そのときには幸福を実感することができます。

浮気によって夫婦の信頼関係が壊れたときは正に悪い時期であり、それより悪くなる可能性も否定はできませんが、どちらかと言えば良い方向へ向かう可能性が高いのではないでしょうか?

夫婦として再出発を誓うことができれば、その先には必ず良いことがあると信じて夫婦で生活していくことにより、充足した日々を過ごせることもあると考えます。

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