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すべて解決したことを確認する清算条項
離婚とは法律上の婚姻関係を解消するという身分上の手続になりますが、それにあわせて二人の間における経済面の清算手続も行うことにもなります。
協議離婚する際に夫婦間で結ぶ離婚契約では、財産分与ほか、離婚する条件すべてを定めて、最後に清算条項で確認します。
清算条項とは、契約書に記載する以外に二人の間に何らの請求権も存在しないことを包括的に確認するものであり、条文の記載自体はシンプルですがたいへん重要な意味を持ちます。
離婚協議書の作成は慎重に
話し合いで離婚に関する条件を取り決めても、その後に何か問題が起きてトラブルになってはお互いに困ります。
そのため、夫婦で定めた条件すべてを離婚後も双方で確認できる書面として、離婚協議書・離婚公正証書が作成されています。
離婚契約書(離婚協議書、離婚 公正証書)では、離婚に際して夫婦で話し合って定めた財産分与、慰謝料などすべての条件を整理のうえ確認します。
離婚協議書・離婚公正証書では、夫婦の権利義務関係をすべて確定させるため、最後のところに「清算条項」を記載することになります。
たとえば、「夫と妻は、本件離婚に関して以上をもって解決したものとし、今後は財産分与、慰謝料など名目の如何を問わず、互いに何らの財産その他の請求をしない。」というものが清算条項として記載されます。
こうした清算条項を含めた離婚契約を結ぶことで、その後は互いに離婚契約書に定めた条件のほかには金銭その他の請求をすることができなくなります。
たとえば、財産分与は離婚の成立から2年間、慰謝料は離婚の成立から3年間、権利が確定していなければ、裁判所に請求することが法律上で認められています。
もし、離婚協議書を作成しなかったり、離婚協議書を作成しても財産分与や慰謝料を定めず、さらに清算条項も定めないと、法律で認められる請求期間内であれば、離婚した後になっても財産分与や慰謝料の請求が起きる恐れがあります。
離婚契約をした後の金銭請求などのトラブルを予防する目的で清算条項が定められます。
離婚契約に清算条項を定めることによって、離婚協議書の締結以後は、法律で認められる請求期間内であっても、金銭の請求が認められなくなります。
清算条項は、離婚契約に定めたほかには請求権が何もないことを確認する重要な条項です。
そのため、離婚の条件を十分に確認しないまま清算条項を記載して安易に合意してしまうと、忘れていた金銭の清算が残っていても、その後の請求が認められなくなります。
婚姻期間に作られた財産又は借金の清算は、離婚にあわせて財産分与として整理します。
このほかに、夫婦一方側の私的な使途を目的とした借金の返済などに関して夫婦の間でお金の貸し借りが生じていることがあります。
夫婦として同じ財布のなかで共同生活をしているときには、一方の第三者からの借金を他方が代わって返済することがあります。
第三者に対して金利を支払うことは、二人の家計にも影響するため、その負担を軽減するために行うものです。
婚姻を続けている限り、そのような貸し借りを夫婦の間で清算することは現実には起こりませんが、離婚することになれば、清算することになります。
こうした借金に関しても清算条項の対象になりますので、借金を清算する場合はその具体的な取り決めについて離婚協議書・離婚 公正証書に定めておきます。
いろいろな離婚相談を受けた中で、「自分で離婚協議書を作成して協議離婚したのだが、共有名義の住宅について相手の所有権持分を自分名義へ移すことを忘れていた。離婚してから気付いたのだが、どうしたらよいでしょうか?」とのご相談を受けたことがあります。
夫婦で決めたことを離婚協議書のひな型に嵌め込んで離婚協議書を作成したため、清算条項はひな型どおりに記載されていました。
こうなりますと、契約上では住宅の持ち分は離婚後も共有のまま変わらずとなります。
どうしても相手の持分を自分側に移転したいとなれば、相手に契約変更することを申し出て、話し合いで解決することになります。
相手が応じないときは、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。
ただし、調停で相手が要求に応じてくれなければ、相手から共有持分を買い取ることも考えなければなりません。
離婚協議をすすめている最中は、普段とは違った精神状態に置かれており、どうしても冷静にいられないこともあります。
そのため、普段であればありえない失敗を犯してしまうことも起きてきます。
離婚契約は、お互いの権利義務を最終的に確定させる重要なものになり、夫婦間の契約であっても離婚契約については取り消しが認められません。
こうしたことから、契約条件を慎重に確認したうえで契約の手続を行うことが必要です。
離婚に関する夫婦の協議では、定めるべき複数の項目を並行して協議をすすめていきます。
すべての条件項目について夫婦間で合意をしてから合意事項を離婚契約書に作成し、その後に離婚の届出を行うことが一般に見られる手順となっています。
ただし、概ねの離婚条件について夫婦間で合意ができているけれども、一部の条件だけが事情があって決まっていないことがあります。
たとえば、年金分割を定める際に資料となる「年金分割のための情報通知書」の取得に時間を要してしまうことが起こります。
しかし、年金事務所へ交付を申請しても、直ちに交付されません。
このようなとき、最後の条件が決定するまで全体の合意を待つという対応もありますが、離婚の届出を早く済ませるため、既に決まっている範囲だけで合意しておく対応もあります。
もし、未決である事項があるにもかかわらず、通常のように離婚協議書へ清算条項を記載してしまうと、未決である事項に関する請求権が消滅してしまう恐れがあります※。
※年金分割請求は例外であるという考え方があります。
そうしたことを防止するため、離婚協議書に清算条項を定める際には具体的な未決事項を除外する旨を離婚協議書に明記しておくこと対応もあります。
離婚に際して夫婦で定めておく条件は、一般にある離婚契約のひな型に記載されている典型的な項目ばかりであるとは限りません。
離婚の契約は、夫婦で過ごしてきた婚姻生活で生じたことの総決算となります。
婚姻期間における経緯、離婚した後の双方の生活は、それぞれの夫婦で異なりますので、離婚契約のひな型どおりにすれば離婚の条件を適切に押えられないケースもあります。
ひな型自体は正しくとも、そのひな型が貴方の離婚契約としても正しいとは限らないのです。
離婚の届出に向けて気持ちが急いてしまう状況に置かれることもありますが、離婚契約に関する最終確認は、見落とし、誤りが無いか十分に点検しておくことが必要になります。
清算条項を含めて結んだ離婚契約は、夫婦としての清算を確定させることになります。
離婚するときに夫婦仲が特別に悪化していれば、契約してから見落としが見付かったときに「ごめんね」と謝るだけでは許されないことになります。
協議離婚で決めるべきことは漏らさず離婚協議書、公正証書に記載したけれども、最後に清算条項を付けることを忘れてしまったという話も聞くことがあります。
そうしたとき、法律上で請求が認められる期間であるうちは、相手方(離婚相手)から何らかの請求が起きる可能性も完全には否定できません。
何も起こらなければいいのですが、もし、相手方から金銭等の請求が行われた場合には請求の内容を踏まえて対応していくことになります。
そして、その整理(決着)がついたときには、清算条項を定めた確認書を相手方と交わしておきます。
お一人だけで協議離婚の契約書作成に向けて対応していくことが大変なこともあります。
そのようなときには、離婚契約に実績ある当事務所の離婚契約サポートをご利用いただくことで、安心して離婚手続きをおすすめいただけます。
最終的な目標となる離婚協議書、公正証書が完成するまでの間は、離婚専門行政書士が丁寧にあなたをサポートをさせていただきます。
ご利用の方法は、メール又はお電話だけでも大丈夫です。そのため、全国どちらからでも、離婚契約サポートをご利用になれます。
また、離婚契約のほか、関連して整理が必要となる不倫問題がありましたら、対応で利用する示談書又は内容証明郵便による通知書なども作成いたします。
不倫問題の対応は急ぐことが多くありますので、土日も含めた当事務所のサポートを利用して急ぎ対応をすすめていくことができます。
当事務所のサポートでは、離婚協議書、示談書、内容証明郵便などの書面作成だけではなく、その過程における心配なこと、疑問点なども、ご相談いただくことができます。
サポートについてお知りになりたいことがありましたら、お電話、メールでご照会ください。
【サポート内容】
お申し込みをいただけますと、ご利用条件などを当事務所からご説明させていただきまして、各サポートのご利用を直ちに開始いただくことができます。
離婚協議書・公正証書、夫婦の誓約書、不倫・婚約破棄の慰謝料請求(内容証明)又は示談書のサポートをご利用したい方は、お問い合わせください。
ご来所のほか、メール又はお電話によるサポートにも対応しています。
なお、慰謝料請求の可否・金額評価、法律手続の説明、アドバイスを求めるお電話は、サポート契約者様との連絡に支障となりますので、ご遠慮ねがいます。
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